時々漁師日和

3ワラント Vintage Bedale(1996年製 Navy)

今回は、3ワラントのVintage Bedaleをフルメンテナンスしました。
1996年製のNavy。ですが第一印象は「セージ?」と思うほど、わずかに緑がかったフェード感。
30年という時間が生んだ色味です。

状態はなかなかハード。
全体の汚れもさることながら、破れも多く、しかも前オーナーが手縫いで補修した形跡あり。
裏地まで貫通して縫われています。

これは気合いが入ります。

まずはオイル抜きと洗浄

工程はいつも通り、オキシクリーン漬けから。

長年染み込んだオイルと汚れをじっくり浮かせ、その後は破れが広がらないように優しく押し洗い。
水を含んだオイルドコットンはとにかく重い。毎回ながら重労働です。

洗浄後は日陰干し。

ここで焦らないことが大切です。

リペア開始 ― 両袖との格闘

完全に乾いたところでリペアへ。

まずはダメージの激しい両袖から。
小さな裂けはミシンでたたき縫い。
しかし範囲が広すぎる……。

途中から方針転換。
パーツ取り用のジャケットから切り出したワックスドコットンを使い、パッチ補修へ。

生地感が近いものを選ぶことで、違和感のない仕上がりを目指します。

さらに前面ポケットのフラップ部分も補強。

Barbourはほぼ確実にこの部分が破れます。
構造上の宿命ですね。

すべてのダメージを“完全に消す”ことはあえてしませんでした。
残った傷は、この個体が歩んできた時間の証。
Vintage Bedaleの魅力を引き立てる「味」として残します。

着丈を2cm詰める

胴部分の裾がかなり傷んでいたため、思い切って着丈を約2cm詰めました。

結果、全体のバランスが整い、今っぽいスッキリしたボックスシルエットに。
ヴィンテージでありながら、現代的な空気も纏います。

これは正解でした。

仕上げのリプルーフ

最後はリプルーフ。

30年前のオイルドコットンが、新しいオイルをゆっくり吸い込んでいく様子は何度見ても気持ちがいい。
乾ききった繊維が潤いを取り戻していく瞬間です。

丸一日落ち着かせた後、ブラッシングで余分なオイルを除去して完成。

完成 ― 唯一無二の存在感

フェードしたネイビー。
パッチの重なり。
消しきらなかったダメージ。

どれもが重なり合い、唯一無二のVintage Bedaleに仕上がりました。

今回も、服と向き合う濃い一日。
やはりこの作業はやめられません。

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