時々漁師日和

小さな船でも延縄漁はできるのか?そんな疑問から調べ始め、学んだことをここにまとめてみました。
網漁のような大がかりな準備は要らず、幹縄と枝縄、針と餌があれば挑戦できるというのが面白い。
まだ勉強の途中ですが、自分の覚え書きとして、そして同じように挑戦してみたい人の参考になればと思います。

はじめに

なぜ延縄漁か 小型漁船でできる漁法を!

延縄漁は、私が乗っている小型漁船でも挑戦できる現実的な漁法です。
網漁や大がかりな仕掛けは船の規模や設備によって制約されますが、延縄漁であれば比較的シンプルな道具で操業できます。

幹縄と枝縄、そして針と餌。

この基本的な組み合わせで狙える魚種は幅広く、しかも工夫次第でいい釣果に!

今回は自分の勉強のためにまとめた内容です

ここでまとめることは、専門家の解説や長年の経験を持つ漁師の知見とは違って、あくまで新米漁師としての学んでいる途中のものです。
調べながら整理し、頭の中を形にしたものですが、同じように「これから小型漁船で延縄漁を試してみたい」と考える人にとって、助けになれば幸いです。

小型漁船と延縄漁の基礎

延縄漁とは?(幹縄・枝縄・針・餌の仕組み)

延縄漁は、一本の長い幹縄に多数の枝縄を取り付け、その先に針と餌を仕掛けて魚を狙う漁法。
文章にすれば単純ですが、その仕組みには理にかなった工夫があります。

幹縄は大きな幹のように軸となり、そこから一定の間隔で枝縄が伸びる。
枝縄の先には針と餌が付くため、多くの魚に口を使わせることができるのも。

つまり「一本竿の釣りを同時に何十本も行っている」ようなもので、効率の高さが魅力ですね。

大型船との違い 小型漁船ならではの特徴(沿岸・少本数・短時間操業)

延縄漁と聞くと、大型船が沖合や遠洋で数千本もの針を流す姿を思い浮かべると思います。
しかし小型漁船の延縄漁は、それとはちょっと違います。

狙うのは沿岸の比較的浅い海域で、枝縄の数も数十本からせいぜい数百本です。
操業時間も短く、出港から回収まで数時間程度で完結することが多いようです。
その分、魚種や潮の動きを読む精度が求められる一方で、機動力を生かした漁が可能。

小型漁船だからこそできる、コンパクトで臨機応変な漁法ですね。

日本海で狙える魚とシーズン

延縄で獲れる代表魚(マダイ・アマダイ・ヒラメ・アナゴなど)

私の住んでいるのは秋田なので、日本海の話になります。
日本海で小型漁船の延縄漁を行うとなると、まず代表格として挙げられるのはマダイ。
春から初夏にかけて浅場に寄る時期は特に狙いやすく、延縄でも人気の的ですね。

アマダイも外せぬ魚で、深めの砂泥底を好むため、仕掛けの投入場所に工夫が要ります。

ヒラメは底物の代表であり、延縄でもヒットすれば強烈な引きで楽しませてくれます。

夜間に狙えばアナゴも良く掛かる。

こうして見ると、延縄は「底を意識する魚」を幅広くターゲットにできる漁法です。

季節ごとの狙い目と漁の工夫

魚には季節ごとの回遊や接岸のタイミングがあります。

春はマダイが産卵を意識して浅場に寄り、初夏にはアマダイの好シーズンがやって来る。
盛夏は水温が上がるため、深場を狙って魚を探すことになります。
秋には再びマダイが荒食いを見せ、冬場はアナゴやヒラメが良くなる。

小型漁船での延縄は、潮や天候に応じて出漁時間を柔軟に調整できるのが利点。
季節ごとの「魚の動き」と「漁の工夫」を合わせることで、少本数でも確かな漁果につながるはずです。

小型漁船での漁具と準備

幹縄や枝縄の長さ・本数(初心者が扱える規模感は?)

延縄漁と聞くと、何百本もの針を仕掛ける大規模な操業を思い浮かべるかもしれませんが、小型漁船で取り組むならば、まずは控えめな本数から始めるのが現実的だと思います。

幹縄は数十メートルから百メートル程度、枝縄は数十センチから一メートルほどが扱いやすそう。
針数にして二十から三十本程度なら、初心者でも絡みを解きながら操業できるかな。
無理に数を増やすよりも、確実に投入と回収を繰り返せる範囲を選ぶことが、延縄漁の第一歩なると思います。

餌の種類と保存方法(サバ・イカ・イワシなど)

延縄に使う餌に定番はサバやイワシの切り身。
油分と匂いが魚を引き寄せる。
イカの切り身は身が締まっており、潮の流れが速い場所でも外れにくい。

保存は釣行前に塩漬けにしておけば身崩れを防げ、冷凍保存でストックしておけばいつでも使えます。

生餌が用意できれば理想ですが、小型漁船では「扱いやすさ」を優先ですね。

船上スペースを考えた仕掛けの工夫

小型漁船の延縄では、限られたスペースをどう活かすかが重要。
幹縄や枝縄をそのまま広げれば、すぐに甲板が絡みの山となってしまいそう。

そこで、諸先輩がたはプラスチック製の桶や専用の縄入れに順序よく収め、投入時にスムーズに流れるよう工夫されてます。
枝縄を色分けしたり、針を一方向にそろえて収納するだけでも、船上の混乱はぐっと減るようです。

こちらは師匠からのいただきもの

延縄漁は「準備の丁寧さ」が釣果を左右する漁法ですね。

延縄漁の流れ

延縄漁は、大きく「投縄」「待ち」「揚縄」の三つの段階に分けられる。
どの作業も単純に見えるが、実際には自然の変化や船上での工夫が重要となるります。

投縄 風や潮を読む基本

仕掛けを流し始めるとき、まず意識するのは風と潮の方向。
潮が速ければ縄は斜めに張り、風が強ければ船の進み方にも影響する。
これを無視して投げ込むと、縄が流されて狙った筋を外してしまう。
なので、最初に風と潮の向きを確認し、船の進路を決めてから縄を投じることが基本です。

待ち時間と魚探の活用

仕掛けを流し終えた後は、ただ待つだけの時間ではありません。
魚探をのぞきながら、魚の群れの動きを確認する。
もし群れが通りそうな筋を外していれば、次の投縄のときに修正する。

単に「待つ」ではなく、「探りながら待つ」ことが釣果を左右するようです。

あとは、この時間に釣りをして他の魚を狙ってもいいですし。

揚縄 絡まりを防ぎつつ安全に取り込む

揚縄は延縄漁で最も緊張する場面。
魚が掛かっていれば重みも加わり、時に勢いよく暴れることもあります。
ここで慌てて引き上げれば、枝縄が絡まり次の仕掛けに影響してしまう。
一定のリズムで縄を取り込み、魚を確認したら無理に引っ張らず、玉網などを使って安全に取り込むことが大切です。

揚縄は「力任せ」ではなく、「落ち着いて整える」作業だと言えます。

環境と資源を意識する

延縄漁を楽しむうえで忘れてはならないのが、海の資源を守る姿勢。
魚は無限にいるように思えますが、実際には乱獲や環境変化によって減少しています。
漁を続けるためには、魚を獲るだけでなく、次の世代に海を残す意識も欠かせません。

混獲を減らす工夫(針や餌の選び方)

延縄では、狙った魚だけでなく、別の魚が掛かることもあります。
これを混獲といいますが、これを減らすためには、まず針の形や大きさを見直すことが役立ちます。
たとえば、口の大きな魚を狙うなら大きめの針を用いれば、小型の魚は外れやすくなる。

また餌の種類によっても掛かる魚は変わる。
サバを餌にすれば青物系が多く、イカを用いれば根魚がよく反応する。
餌を工夫することで、狙った魚に絞りましょう。

地元漁協のルールや自主規制

もう一つ大切なのは、地元漁協や地域の漁師たちが守っているルール。
たとえば、ある魚種の小型は放す決まりがあったり、特定の時期には漁を控える取り決めがあったりします。
これらは資源を守るための知恵で、長年の経験に基づいたものです。
ルールを守ることで、安心して漁を楽しめる環境が続いていきます。

まとめ

小型漁船でも延縄漁は十分可能

延縄漁は大きな船だけの漁法と思われがちです。
しかし、沿岸での小規模な操業であれば、小型漁船でも十分に挑戦できるはず。
道具や本数を工夫すれば、手の届く範囲で楽しむことができるのが延縄漁の魅力ですね。

自分の工夫が大事

仕掛けの長さや餌の種類、縄の収め方に至るまで、延縄漁には自分なりの工夫を加える余地が多い。
同じ道具を使っていても、扱い方ひとつで結果は変わる。
その工夫こそが、小型漁船での延縄漁を面白くすると思います。

まずは経験を積みたい

延縄漁は本を読んだり道具を揃えたりするだけでは身につかないと思います。
実際に縄を流し、魚を揚げる経験の中で少しずつ理解が深まる。
失敗も含めて積み重ねることで、自分に合ったやり方が見えてくる。
これから先、学びながら経験を重ね、延縄漁の奥深さを味わっていきたいです。

延縄漁について学んだが、やはり小さな船でも十分に挑戦できる漁法だと感じました。
幹縄と枝縄、針と餌というシンプルな道具で、狙える魚は幅広い。
しかも、自分なりの工夫を加えられる余地が多いのも面白いところ。
まだ実際に何度も操業したわけではなく、知識も経験もこれからですが、少しずつ覚えていけばきっと形になるはず。
小型漁船ならではの手軽さと、漁の奥深さを味わいながら、自分の延縄スタイルを作っていきたい。
これから同じように学んでいく人とも、一緒に工夫を重ねながら前に進めればと思います。

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