ルアーに反応しているのは、眼で見てる?音?波動?どれなんだろう。
・ルアーをどうやって見つけているかわかる
・釣りへの応用
★参考文献
こちらの書籍で勉強しました。
魚の行動習性を利用する「釣り入門」
もっと詳しく知りたい方はコチラを読んでください。
魚の眼の能力から、釣り人やルアーがどれくらい見えているかを知る
魚の眼の能力
魚の視力はマダイで0.16、スズキで0.12、回遊魚のカツオで0.43です。
回遊魚ほうが、広い海から獲物をみつけないとけないので、視力がいいようです。
さて、このように数値で表されると、「そんなに良くないんじゃない」と思いますよね。
しかし、これはヒトでいう”近視”とは違うようです。
近視とは、近くが見えて遠くが見えない、という症状ですが、魚はヒトでいう”近視”ではないので、遠くが見えています。
画素数が少ないデジタルカメラの画像のように見えているらしいです。
メジナは20cm先のナイロン0.1号が見えています。
形状識別能力は抜群で、人間が視認できるルアーの形の違いは、魚もできています。
水中で動く物を正確に眼で捉えられる能力は人間より数十倍速く、魚が素早く動く餌に正確にアタックできるのは、このような眼の機能をもつためです。
色識別能力も非常に優れていて、ヒトより魚のほうが優れています。
それは色を識別する視細胞(錐体)の種類がヒトでは3種類ですが、魚は4種類あるためです。
いつも見ているルアーの色が、ヒトより色鮮やかに見えていたとは驚きですね。
また魚は紫外線を色光としてみています。
当然ヒトには見えないモノです。
ワームによくある”ケイムラ”は、紫外線反射する効果があるので魚には非常に有効なことがわかります。
偏光を見るこをが出来て、この眼が偏光フィルタとしても機能をもっています。
これが何を意味するが釣り人ならわかりますよね。
どれくらい釣り人が見えている?
さて、魚は釣り人をどれだけ認識してしているのでしょう。
濁った水中でも、魚が見える範囲はダイバーが見える範囲より倍近くも広いそうです。
ダイバーが10m見える水中であれば、約20m見えているわけです。
大変です(笑)
しかも眼には前述した偏光フィルタをもっているので、偏光サングラスをした釣り人と同じ状態です。
魚から釣り人が見えていない訳がありません。
波がある場合はどうでしょう。
ヒトからは海中が見えなくなり、安心して海を覗いてませんか?
海の中からでは見え方が違うようです。
ヒトでも5m程度潜ると波のチラツキがなくなり、地上が見えます。
眼に偏光フィルタを持つ魚は?
より鮮明に地上が見えているわけです。
魚は常に水鳥の襲撃に備えているので、水面上で動く物に対して強く警戒する習性があります。
そして学習能力は高く、驚異になるものと、そうでないものを見分けます。
岸際に立って、海面上にロッドを出して、釣りを始める。
魚から全部見えています。
ルアーをどうやって見つけているかを知る
側線でルアーの振動を感知する?
側線とは体側と頭部の皮下にある管状の振動感覚器官で、ルアーの動きによって発生する水の振動が側線を刺激し、魚が食いつくという話はよく聞きます。
確かに、高活性だと形と色は実物のベイトに似ていないルアーに反応します。
しかしこれは側線の機能を過信しているようです。
ルアーが水中に入りアクションしだすと、水粒子を動かし振動が発生し、その動きが周りの水粒子を動かす。
それが周囲に次々と伝播する。
しかし、これはルアーから遠くに及ばなく、伝播は限られていて、振動が遠くにいる魚の側線に届くことはないようです。
しかも側線で検知できる範囲は十数cmといわれ、情報がとれる範囲は狭いです。
また魚は泳ぎだすと側線の機能を自ら大きく低下させることがわかっています。
以上のことから、側線でルアーの動きを確実に捉えることをできるのは、魚が静止していて、かつルアーが近くにあるときだけということになります。
内耳でルアーの振動を音として感知する?
ルアーをリーリングし一定のアクションを始めるとを、水の圧力変化が周期的になって、音として伝わります。
水中での音は秒速約1450mに速さで伝播し、伝わります。
空中音速は秒速約350mなので、水中音速はその約4.5倍。
そして、水中音速は空中音速より減衰が少なく遠くまで届きます。
魚が音を感知するのは内耳です。
魚の内耳の周波数感度は100〜2000ヘルツです。
ヘルツは1秒間に何回振れるかの単位。
ルアーが1秒間に100回も振れるでしょうか?
そんなルアー、みたことありません。
と、すると魚には聞こえない音ということになります。
以上のことから、魚は眼で見てルアーを認識し、狙ってくることが多いということになります。
釣りへの応用
魚は岸際に立った釣り人を見ているし、眼で見てルアーをベイト(餌)だと認識することが多いとわかりました。
(匂いのついたワームは別です)
これらのことから、考えられる対策をまとめます。
①岸際に立たない
覗き込むのも、ロッドを海面上でビュンビュンするのも控えましょう。
②ルアーローテーションは頻繁に
形状識別能力が高いので、見切られたら反応しません。
③カラーローテーションも頻繁に
色識別能力も高いです。水の色にも影響を受けるので、釣り場が違えば水中でのルアーの色は違って見えます。天候、時間帯によってもかわります。
④ケイムラも選択肢に入れる
魚は紫外線も色として認識できます。
⑤波があっても見えている
人間も見られているし、ルアーも認識されてます。
最後に
魚はルアーを見て捕食行動をするということを意識すると、釣り方も変わってくると思います。
それが釣果につながると嬉しいですね。
参考にしてみてください。