はじめに
これまで私の作業場では、用途に応じて複数のミシンを使い分けてきました。
厚手のレザー製品やバッグ、ベルトなどの縫製にはSEIKO TE-5を使用しています。

古い工業用ミシンならではの重厚な構造と高い貫通力を備えたミシンで、私のレザークラフトには欠かせない存在です。革を何枚も重ねたような厚物でも安定して縫うことができ、長年にわたって信頼を寄せてきました。
レザークラフトで愛用しているSEIKO TE-5腕ミシン レザークラフトを続けていると、いつの間にか手放せなくなる道具があります。 革包丁や木槌、ヘリ落としなど、どれも大切な道具ですが、その中でも特に出番が多いのがSE[…]
一方、Barbourのリペアやレザーアイテムの布部分の縫製にはBrother TA2-B623を使用してきました。

こちらも鋳鉄製のしっかりとした作りが魅力で、直線縫いの美しさや安定感には定評があります。古い工業用ミシン特有の機械的な操作感も気に入っており、長く愛用してきた一台です。
工房のミシンたちです。 奥から、 三菱工業用上下送りミシン DY-350 シンガー手回しミシン ブラザー職業用ミシン TA2-B623 となっています。 DY-350には中華製のサーボモータ[…]
しかし最近、Barbourの補修作業やレザーアイテムの製作を続ける中で、より快適に使える直線縫い専用機が欲しいと考えるようになりました。そこで今回導入したのが、JUKIの職業用ミシン「SPUR 25SP」です。

なぜSPUR 25SPを選んだのか
職業用ミシンを検討するにあたり、まず考えたのは自分の作業内容でした。
私の場合、革そのものを縫う作業はSEIKO TE-5が担当しています。そのため新たなミシンに求めたのは厚物性能ではなく、Barbourのリペアやライニング製作などを快適に行えることでした。
Barbourのリペアでは、オイルドコットンの補修やポケット交換、裏地の修理などを行います。見た目以上に繊細な作業が多く、縫い目の美しさや送りの安定性が重要になります。
また、レザーアイテムの製作においても、完成度を左右するのは革だけではありません。バッグの内装やポケット、ライニングなどの布部分が美しく仕上がっているかどうかで作品全体の印象が大きく変わります。
そうした用途を考えたとき、以前から気になっていたのがJUKIのSPURシリーズでした。
SPURシリーズは職業用ミシンの定番として知られています。洋裁を趣味とする方からプロまで幅広く使用されており、特に直線縫い性能の高さには定評があります。
工業用ミシンメーカーとして世界的な実績を持つJUKIが開発していることもあり、以前から興味を持っていました。
程度の良い中古機との出会い
今回購入したSPUR 25SPは新品ではなく中古品です。
新品も検討しましたが、たまたま状態の良い個体を見つけることができました。
中古ミシンを購入する際には多少の不安があります。外観がきれいでも内部の状態までは分かりませんし、使用頻度によっては部品の摩耗も考えられます。
しかし今回購入した個体は非常に状態が良く、外観もきれいで動作にも問題はありませんでした。
SPURシリーズは耐久性にも定評があるため、しっかりメンテナンスされていた個体であれば中古でも十分活躍してくれるだろうと考えています。
結果として、とても良い買い物ができたと感じています。
開封して感じた第一印象
到着後、さっそく設置して各部を確認しました。
最初に感じたのは、全体的な完成度の高さです。
Brother TA2-B623のような古い工業用ミシンと比べると、デザインも操作系も洗練されています。
もちろん鋳鉄製ミシン特有の重厚感とは違いますが、決して頼りない印象はありません。職業用ミシンとして十分な剛性感があり、長く付き合えそうな安心感があります。
テーブルに設置した際の収まりも良く、作業スペースとの相性も良好でした。
長年使われているモデルだけあって、実用性を重視した設計になっていることが伝わってきます。

試し縫いで感じたこと
現時点ではまだ本格的な作業には投入していません。
そのためこの記事は使用レビューというよりも、購入記録とファーストインプレッションに近い内容になります。
試し縫いをしてまず感じたのは、動作が非常に滑らかだということです。

ペダル操作に対する反応が素直で、低速域でも扱いやすい印象があります。
Barbourの補修では細かな位置合わせが必要になることがありますが、このコントロール性の高さは大きな武器になりそうです。
送りも安定しており、縫い目がきれいに揃います。
短時間の試し縫いだけでも、直線縫いに特化したミシンとしての完成度の高さを感じることができました。
多くのユーザーがSPURシリーズを高く評価する理由も少し理解できたような気がします。
Brother TA2-B623との違い
長年Brother TA2-B623を使ってきたため、どうしても比較してしまいます。
TA2-B623には鋳鉄製ミシンならではの魅力があります。
重厚な機械を操る感覚や独特の存在感は、現代のミシンではなかなか味わえません。長年使ってきた愛着もあります。
一方で、SPUR 25SPはより現代的な使いやすさを備えています。
低速でのコントロール性や操作の軽快さは明らかに異なります。
どちらが優れているというよりも、設計思想の違いと言った方が適切でしょう。
私の場合はBarbourのリペアや布部分の縫製が主な用途なので、SPUR 25SPの特性が非常に魅力的に感じられます。
現在考えている使い分け
現時点では、今後の役割分担を次のように考えています。
SEIKO TE-5
- 厚手のレザー製品
- バッグ製作
- ベルト製作
- 多層構造の革小物
- 高い貫通力が必要な作業
JUKI SPUR 25SP
- Barbourのリペア
- オイルドコットンの補修
- ポケット交換
- 裏地補修
- ライニング製作
- レザーアイテムの布部分の縫製
- 帆布やコットン素材の縫製
それぞれ得意分野が異なるため、無理に一台で全てをこなそうとするのではなく、適材適所で使い分けるのが理想だと考えています。
まとめ
今回、JUKI SPUR 25SPを導入したことで、私の作業環境はさらに充実しました。
厚物や革の縫製はこれまで通りSEIKO TE-5が担当し、Barbourのリペアやレザーアイテムの布部分の縫製はSPUR 25SPが担当する。そんな役割分担を考えています。
まだ試し縫いしか行っていないため、本格的な評価を下す段階ではありません。しかし、第一印象としては非常に満足度の高いミシンです。
程度の良い中古機に巡り会えたこともありますが、動作の滑らかさや扱いやすさ、そして安定した直線縫い性能には大きな期待を抱いています。
Brother TA2-B623という優秀なミシンを長年使ってきた私でも、「これは良いミシンだな」と素直に感じることができました。
これから実際のBarbourリペアやライニング製作で使用しながら、耐久性や実用性についても検証していきたいと思います。
まずは良い状態のSPUR 25SPを迎えることができたことを喜びつつ、これからの活躍に期待しています。

